第三夜:歩美

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「うぎゃぁああああああああ」 断末魔の叫びとはコレの事を言うのだろうか。 笑いながら冗談を繰り返していた光本の声とは思えないほど、耳を塞ぎたくなるほどに汚い呻き声だった。 私はすぐに廃屋から飛び出し、声が聞こえた方向へ走っていく。 なだらかな坂を駆け上がり始めた時、既に叫び声は止んでいた。 私が足を止めて顔を右に向けると、1時間程前に3人で寝床にしようとしていた廃屋があることに気づく。 「そうだ……人形の首を……返さないと……」 心の中で思っている事が、恐怖のせいか口から出てしまっている。 私は人形の首を握りしめ、光に吸い寄せられる蛾のように廃屋へ入っていく。 一歩足を踏み入れた瞬間、血生臭い匂いが鼻をつく。 「光本?」 そう問いかけるが、廃屋の奥に広がる闇からは何も言葉は返って来ない。 意を決した私は、デジカメのライトを点灯させて奥へ進んでいく。
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