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「小田の方こそ……光本の手をちゃんと握ってなかったのか?それより光本はどこに行ったか知ら……」
私がそう言いながらデジカメのライトを前方に向けた瞬間、左目が刳り貫かれた小田がユラユラ揺れながら立っていた。
「いやぁあああああああああ」
私は顔を両手で覆いながら背を向け、小田から距離を取る。
「部長のせいですからね……全部。部長がこんな所に僕たちを連れてこなければ、こんなことにはならなかったんだ……」
小田はまるでゾンビのような足取りで座って後退する私に近づいてくる。
「ゆ……許して。こんな場所だなんて知らなかったんだ……。こんな恐ろしい場所だなんて……」
「部長、僕たちはもう終わりですよ。もうすぐきっと……奴はココに現れる」
小田がそう言った瞬間、廃屋の入口の方から軋むような音が聞こえてきた。
ギシィ……ギシィ……
「ほら……来た…………」
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