第三夜:歩美

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「光本、春休み……暇か?」 「いや、そこまで暇じゃないよ。借りてた漫画も読まなきゃいけないし、観たい映画もたくさんあるし……」 「よし、お前が暇なのはよく分かった。この日、開けといてくれ」 そう言って私はカレンダーをめくり、4月1日の日付を指差した。 「えっ、歩美っち……もしかして俺とデートしようってのか?」 「お前とデートなんてするか!オカルト新聞の取材に行くんだよ」 「なんだ取材か……。で、何処に行くんだ?」 光本はパソコンをシャットダウンさせながら、上着を羽織る。 「ここだ」 帰り支度を始める光本の顔の前に、落崖村のスレッドが書かれたコピー用紙を差出した。 「やっぱり……。マジでそこ行くのか?帰って来れなかったら洒落にならねーぞ!」
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