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光本はその勢いで小田に電話を掛ける。
しばらくコールが続いた後、低く暗い声が聞こえて来る。
「はい……」
スピーカーモードにしているせいか、私の耳にもはっきりと陰気くさい声が聞こえた。
「小田、朗報だ!歩美っち部長が取材する次なる場所は、心霊スポットに決まった!まぁ、まだ霊が出るかは不明だけど、かなりヤバそうな場所だ。
お前も行くよな?ハッキリ言って俺は怖い。頼むから一緒に来てくれ」
懇願するような声で光本がそう呟くと、小田は一呼吸置いてから言葉を返す。
「いいよ……。それ、次のオカルト新聞のネタ?」
「あぁ、部長はそのつもりらしい。まぁ、怪奇現象とかが起こらなきゃ、ただの旅行記になるけどな」
「いつ行くの?」
「来週の4月1日」
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