第三夜:歩美

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光本はその勢いで小田に電話を掛ける。 しばらくコールが続いた後、低く暗い声が聞こえて来る。 「はい……」 スピーカーモードにしているせいか、私の耳にもはっきりと陰気くさい声が聞こえた。 「小田、朗報だ!歩美っち部長が取材する次なる場所は、心霊スポットに決まった!まぁ、まだ霊が出るかは不明だけど、かなりヤバそうな場所だ。 お前も行くよな?ハッキリ言って俺は怖い。頼むから一緒に来てくれ」 懇願するような声で光本がそう呟くと、小田は一呼吸置いてから言葉を返す。 「いいよ……。それ、次のオカルト新聞のネタ?」 「あぁ、部長はそのつもりらしい。まぁ、怪奇現象とかが起こらなきゃ、ただの旅行記になるけどな」 「いつ行くの?」 「来週の4月1日」
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