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「やんだねぇ、もう八十んなると誰が生きてんだか死んでんだか、わがんなくなっちまってよぅ。これだから看取り世代はぁ、とか何とか若ぇモンに笑われちまうよ」
「自分で言っちゃったよ……」
カラカラと景気よく笑い声を響かせているけど、え、これ笑っていいのか?
「後は何かえ、アラサーじゃなくて、アラハチかえ? あばんぎやるど八十」
「……」
何から何まで合ってない。確かにアバンギャルドな会話ではあるかもしれないけど、とりあえず絹子婆さんは間違いなくアラハチよりはアラキュウ寄りだし、そこまで来たらもはやアラセンだと思うのだ。アラウンド・センチュリー。やばい、予想外に響きがかっこいい。そしてどうでもいい。
「何にしてもあんたぁ、その歳で苦労人だねぇ」
「えぇもう、全く」
ようやく絹子婆さんの時間が現実に追い付いて来たみたいで、ひと安心する。たまに追い付かないまま会話が無限ループして終わる事もあるのだ。
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