第1章

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私に声を掛けてくれる人が現れた。 音楽療法士と名乗る女性は、久しく感じられなかった人としての自分を迎え入れてくれた。 週に1回の音楽の時間が、動けない私の唯一の楽しみになっていた… ただ音楽を聴くだけ、喜びを伝える事も出来ない私だが… 懐かしい歌が流れてきた『青い山脈』と言う歌だった まだ若かった頃、貧しくも青春を謳歌する様に歌い… この歌が、切っ掛けで婆さんと結婚した。 歌が、流れる度に昔を思い出して自然に涙が、頬を伝っていた。
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