第1章

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そのままお昼ご飯を食べる事にした 「ミクは何を食べたい?」 「行きたいところがあるんだ。友達から教えてもらったカフェでランチが食べられる場所なんだけど」 「おっ、なんかオシャレだな。いいよ」 そう言うとまた手を繋ぎ歩き出す 「それにしてもだんだん寒くなってきたな」 「うん。冬物も用意しなきゃ」 カレンダーは9月を表示しており徐々に寒くなっていく 気温も下がると、心も寒くなってくるのは気のせいだろうか 「そういえば、奥さんと結婚何年目になるの?」 私は特に聞きたいわけでは無いがカズヤに聞いた 彼の家庭の話を聞くのは正直好きじゃない だって、現実に戻されてしまうから でも、こういった事を軽く聞ける自分でありたいと思ってる カズヤにとって重い女になりたくないから 「あーそうだなアイツとは結婚して10年目ぐらいかな」 「そうなんだ、もうすぐ10年ってすごいね」 「そうか?ははは」 カズヤは明るく答える でも、その明るく答えるカズヤに私は少し悲しくなってしまう カズヤはいつでも家族の事や奥さんの事を沢山しゃべってくれる 別に私は聞きたいわけじゃない その聞く行為が大切だと思ってるだけ そんな気持ち多分、カズヤはわかってくれない だから明るく答えるんだろうな 私はその悲しい思いに自分が染まるまいとカズヤの手を強く握りしめた
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