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家の中に入ると花の香りが漂ってきた
見ると玄関にユリの花が飾ってある
靴を脱いで部屋の中を見渡しても小奇麗にかたずいている
特にインテリアにこだわっているわけではないが、子供も居るせいか生活感を感じさせつつもスタイリッシュに収まっている
「どうかしたの?」
「いや、部屋が綺麗だなって」
「あぁ、あいつ綺麗好きだからな」
「そうなんだ」
今目の前に想像だけの家庭の場が広がっている
まさかこの空間に足を踏み入れるとは
「おいで」
急にカズヤは私の腕をひっぱり隣の部屋へ連れて行った
そこはベッドが置かれた寝室だった
「ちょっと、ここはまずいよ…」
「何がまずいの?」
そういうと私の腕がまた引っ張られカズヤの体に引き付けられる
「ちょっと…」
言葉を発しようとした瞬間にカズヤの口が私の口に覆いかぶさった
「んっ…」
カズヤの力強い力で抱きすくめられる
頭の中はこの場所で抱きしめられている落ち着かなさと、カズヤを欲する気持ちがグルグルと回っていた
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