第一章

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今年、入学して来た我が家の末っ子。 食堂に行けば会えると思い、弟を探すと、うるさい姉がいた。 相変わらずライにベッタリしており、恥ずかしそうな弟の顔が分からないのだろうか。 レオンは、おっとりとした女の子に顔を向けると、仕方ないとその輪に入った。 「姉さん。食堂では静かに」 苦言を呈すると、キッと鋭い目で睨まれる。 「なんで、あんたが来るのよ?」 「姉さんに会いに来たんじゃ無いよ。ライに入学祝いを言いに来たんだ」 何故か、姉に嫌われている。 「ライ。おめでとう」 「ありがとう。兄ちゃん」 気に入らないと顔を向ける姉の事は無視し、ゲイルさん家の長女アリアに席を勧めて、昼食を始める。 彼女は、おっとりした顔で無口なので、馬鹿そうな子だが成績は優秀だ。 実技訓練の方も、冷静な判断力を発揮しているので、見た目に騙されて辛酸を舐めさせられた同級生は多い。 研究以外に興味を持たない僕なら、当たった時点で棄権する。 それを彼女は不満だと言うが、怪我をするのはゴメンだ。 僕は攻撃魔法を使わない。 使えない訳では無く。念力魔法を使い魔法陣を使用しての戦いを好む。 語弊があるが、戦うのは嫌いだ。
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