第一章

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戦場に出る気は、欠片も無い。 『戦争ほど、愚かな物は無い』 が、父からの教えである。 それに、兵士になる必要は無いのだ。 実家は、王国一の研究場である。 僕は長男だ。 家業を継いだ方が、何倍も賢い。 しかも、嫌々どころか、是非とも研究者になりたいのだから、願っても無い幸運だ。 その辺、姉では無く。ライに真剣になって欲しいものだ。 ライは研究者を目指していない。 まだ12歳。 将来を決めるのは早いかも知れないが、自分の代になったら、ライの頭脳は欲しい。 こいつは猫を被っている。 …
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