第一章

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「しかし、未だ魔物を駆逐出来た訳ではありません。我らの大陸からは見えなくなりましたが、海やエルフの大陸には、まだまだ魔物が溢れております」 そうなのだ。 人の大陸からは、魔物は姿を消したが、エルフや獣人の住む大陸には、しつこく魔物が姿を見せている。 しかし、如何に人型の魔物とて、エルフの魔法に抗う術は無く。今までと変わらぬ撃退に合っている。 そして、もう一つの海だが、残念ながら現在の技術では辿り着けない場所も多く存在しており、未知なる魔物からの攻撃に『潜水艦』を乗り捨てて帰還した兵士も出てきたのだ。 これを『深海の壁』と安直な名を付けて恐れ、対海中戦の武器を求める声は確かに存在している。 『レイ』を取り付ければ、話は早いのだが、武装放棄を呼び掛けている現状で、海底探索の為とはいえ、他国に疑心を与えてしまうのではと、『潜水艦』の武装を戸惑っている状況である。 秘密裏にでもと、声はあるが、他国に知られた場合。オーディ王国の信用は地に落ちるだろうとして、議論は平行線に続いている。 兵士の安全の為に必要だと、説得出来る話では無いのだ。
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