第一章

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他国は大国が兵器なる危険な武器を作る技術を持っているだけで脅威なのだ。 幾ら口で武装放棄を呼び掛けても、完全に武器を破棄しない限り、同じく右を向いてくれる国は無い。 いや、大国たるオーディ王国が、何を言おうと、兵器の放棄は実現される事は無いだろう。 それを作る技術者が国にいるのだから、他国の不安は無くなる筈は無い。 それに、小国からすれば、大国は兵器無しでも自国を攻め滅せる事は理解出来ているのだ。 圧倒的な兵力の差があり、その上いざという時の兵器を放棄しろなど、聞き入れてくれる訳が無いのである。 「だとしても、リュースケの言う雷の魔法で撃退は可能であろう。下手に他国を刺激する研究は止めてほしい」 「………ハッ」 ………会議が終わり、会議室を出ると、龍介に聞こえる様に、嫌味が投げられる。 「陛下に上手く取り入りおって…」 「まったく、気にいらん…」 「武装放棄など叶う訳が無い…」 「そうだ。どうせ、また争いの道具を作るぞ…」 『レイ』に始まり、『イージス』『鉄砲』『マシンガン』『増幅装置』と兵器や武器を、龍介は確かに生み出している。
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