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念話はどこにいるのか分からない相手には、普通は届かないが、窓の外に見える王宮から伸びる塔のお陰で、王都内にいれば念話が使える。
『倍増』と言う魔法陣を100枚一列に積み重ね、魔法の威力を増幅してくれる装置である。
もちろん、装置を関して念話を届けるらしく。父に直接では無く、装置を関して間接的に念話を届ける事が出来る仕組みらしい。
あれも、父が作った発明品だ。
一人酒を飲みたい気分の人は、王都では無く。辺境の村に転移装置で移動までしなくてはならないらしい。
僕がダイニングの椅子に座ると、父が転移魔法で帰って来た。
「ライ…。遅くなるなら、念話で知らせなさい」
帰って来た途端に、お説教を始める。
「まだ、明るいよ?」
そう、まだ夕方だ。
「……とにかくだ。出掛けるなら、お母さんに言いなさい」
「お兄ちゃんじゃ駄目なの?」
「うん。お兄ちゃんだと、直ぐ忘れるからな。お父さん。毎日探し回るの嫌…」
こんな明るい内から誘拐なんて考える方がどうかしているが、父は過保護である。
つまり、子供に甘い。
それでも、小遣いはくれない。
だからと言って、ケチな訳でも無い。
必要な物は、上質の物を買ってくれる。
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