第一章

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ホージョ家長女マナは、学園のアイドル的地位を確立していた。 容姿端麗。 成績優秀。 品行方正。 国を代表する研究場の一人娘として、貴族からも求婚される始末である。 だからと言って、嫉妬を買い苛められる事も無い。 学園で、最強の生徒ジークとゼイルが側にいるからだ。 ジークは、シバさん家の長男。 ゼイルは、ゲイルさん家の長男。 男子に守られ、女子から顰蹙を買っている訳でも無く。 ライラックさん家の長女ミリアとは、一番の親友である。 同時期に産まれ、家族ぐるみの付き合いで姉妹同然に育って来た私達は、いつも一緒にいる。 ミリアは少し病弱で、良く世話を焼いている。 『三人のお子さんとは、仲良く』 が、母からの教訓である。 ………今日は、誰と戦う為か分からない訓練をする。 練成水晶から出来た白い竜をあしらった杖が、私の武器である。 実家に居る白いワイバーンを思っていたら、これが出来た。 当然、名前は『バーン』だ。 特徴は、杖を振るだけで、白い火球が飛んで行く。 自慢にしかならないが、学園4年生で上級魔法が使えるのは、私だけだ。 そんな私でも勝てないのが、ジークとゼイルなのである。
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