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その日の放課後。
私は自分の部屋のベッドで枕に顔をうずめながら、長くて深いため息をついた。
朝のあの一件、流されるまま彼のサポートを受けることになってしまった。
でも、今まで二人きりで話したことすらほとんどないのに、告白なんて無理に決まってる。
やっぱりあのキューピッドさんには悪いけど、他の人のところに行ってもらおう。
きっと私じゃ彼が一人前になれない。
「やだよ。僕はあんたのサポートするって決めたんだから」
「きゃあっ!!」
私は驚きのあまり枕をカイさんに思い切り投げてしまった。
「ご、ごめんなさい!」
枕は彼の顔面に直撃してしまったけど、カイさんは何事もなかったかのように枕を私に返す。
「…何を言われても僕は颯姫とテジケン君を結ばせてみせるから」
「て、テジケン!?」
「手嶋健太郎、略してテジケン。ターゲットの名前はもう確認済みさ」
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