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「恋のキューピッドってのは期限が設けられているんだ。じゃないとズルズルと煮え切らない人間がいるからさ」
確かに、私はそのタイプかもしれない。
だけど3日なんて、いくらなんでも無理だと思う。
「決まりは決まりだし、3日以内になんとかするから、そんな顔しないで」
そんなにひどい顔をしてしまっていたのか、カイさんは心底申し訳なさそうに頭を垂れる。
励ましてあげたい、この人の悲しそうな顔は見ていて本当に苦しい。
だけど、私だって今はどうしようもなく困ってる。
「きっと3日以内に会話も出来ないんだろうなぁ」
さよなら、私の初恋。
「何言ってるんだよ。明日からアピール開始!今諦めると後悔する。僕はあんたに失恋して欲しくて来たわけじゃないんだから!」
カイさんの目は至って真剣で、なんだかさっきまでの人とは別人みたいにも見える。
一人前になりたいから、ではなく、純粋に私のことを思っている目。
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