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『恋のキューピッド』なんだから、少なくとも私よりは色々知っているんだろうけど、自分は体験ないのだろうか。
そう考えたらなんだか嬉しくなって、ついつい顔が綻んでいくのが自分でも分かる。
「ふふっ」
「なに、人の事じっと見てきたり、いきなりニヤニヤしだしたり、変な奴だな」
言い方が、表情が、態度があまりに幼くて、カイさんって呼んでいるのが合わなく感じてきた。
もし年上じゃないなら、なんて思ったりして。
「カイさんって歳いくつ?」
私が聞くと、彼は一瞬きょとんと呆けて、そして笑みをこぼす。
「それ普通僕みたいな奴に聞く?まだまだガキだよ、173歳」
「ひゃ、ひゃくななじゅっ…」
天使ならそれくらい当たり前なの!?でもそれでまだ半人前って…。
私が呆気にとられていると、彼はお腹をかかえて笑い出す。
「プッ、変な顔。僕達はね、何年生きたかじゃなくて、どれだけ仕事をしたかですべてが決まるから、歳なんて意味ないんだ」
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