9人が本棚に入れています
本棚に追加
「どうせ僕のこと、さん付けするのに違和感感じたんだろ?堅苦しいの嫌いだし、好きなように呼んでいいよ」
「じゃあカイ君で」
カイ君は呼び捨てでもいいのに、と言ったけど私は断った。
なんかカイ君が一番しっくり来たから。
そう理由を説明すると、カイ君はなぜか一瞬曇った表情になり、すぐに元に戻る。
「…ふぅん。ま、なんでもいいや。話変わるけど明日の作戦な」
「うん」
そういえば本題はこっちだったんだ、と気を引き締める。
「確認しておくけど、最低限挨拶はできるな?」
「いつも手嶋君からしてくれるから…」
カイ君は眉をひそめて口を尖らせ、あからさまに不機嫌な顔になる。
「受身は禁物だ。特に片思いなら、自分から積極的にならないと、相手に思いすら届かない」
それは私もずっと思ってきた。
言わなきゃずっと、ただの同級生のままだってこともわきまえている。
でも、いきなり話しかけるなんてことしたら、変な人って思われてしまうかもしれない。
最初のコメントを投稿しよう!