夕焼け色

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せっかくのチャンスを無駄にしてしまったと悲観していると、私にもう一度チャンスが舞い降りてくる。 「俺は、今日天原と朝会ったのはたまたまじゃないって思う。だから俺、天原ともっと話したい」 手嶋君の言ったとおり、朝挨拶したのはたまたまじゃない。だから、彼が今私に笑いかけてくれているのも、たまたまじゃないって信じていいのかな。 「私も、手嶋君ともっと話したい…」 この時、私は初めて声を震わせることなくすんなりと話すことができた。 「よかった!」 手嶋君は作業を続けながらも歯を見せて笑う。 「いきなりだけど質問!目玉焼きって半熟派?完熟派?」 「なんで!?」 部活の話とか、好きなものの話を振られると思っていたから、予想外の話題に思わず声をあげる。 「特に深い意味はないけど、部活の話とか振ったら初対面みたいで、他人行儀な感じがするだろ?」 どうやら手嶋君なりの気遣いだったらしい。少しズレている気もするけど、やっぱりその優しさが身に染みる。
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