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手嶋君と別れて自宅に帰ったあと、私は正座をしてカイ君と向き合っていた。
「78点。もちろん今日が初日だったってことを考慮しての点数」
開口一番、カイ君はそう言った。
今日の私の出来を評価した点数を言ったのだろう。
そこまでは推測できても、基準も及第点もわからないから、どう反応すればいいのか困る。
「それっていいの?悪いの?」
「よくやったとは思う。けど、やっぱり勿体なかったな」
カイ君は少し辛口だ。でも、それくらいが私にはちょうどいいのかもしれない。
「具体的にはどこはよくて、どこがダメだった?そこはどうすればよかった?」
私のこの言葉に驚いたのか、カイ君は大きく目を開いて、数回瞬きをする。
「何か変なものでも食べた?やけに積極的じゃないか」
「失礼ね。悪い?」
わざと頬をふくらませて怒ってみる。するとカイ君は、子供らしく目を細めて笑顔を浮かべる。
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