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「おはよう手嶋君。昨日はどうもありがとう」
「おっ?おはよう天原。こちらこそ話してくれてありがとな」
朝から手嶋君の眩しい笑顔を見ることができて、それだけで満足してしまいそう。
だけどもっと貪欲にいかないと、彼の中の私はただのクラスメイトで終わってしまう。
「あのさ、えと、その…」
「うん」
どうしよう。いざ意気込んで話そうとしたはいいけど、話題が思いつかない。
首を傾げて私の言葉の続きを待つ手嶋君を前に、頭の中は真っ白でパニック状態になってしまっている。
昨日は普通に話せていたのに、何か言わなくちゃって思っているのに何も出てこない。
どうやって話してたのだろう、答えの出てこないことばかり考えてしまう。
「…ん?そういえば爽やかな香りがするな」
「…!気づいてくれたんだ。今日は少し香水つけてみたんだ。こういうの、苦手?」
カイ君がくれた香水が、私に会話のきっかけを与えてくれた。
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