恋のキューピッド

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朝食を済ませてから顔を洗って、歯を磨いて。 そして初めて袖を通してから一年経った、すっかり着慣れた高校の制服であるブレザーに着替える。 髪の毛を横に一つでまとめて、崩れないようにピンで留める。 化粧は校則で禁止されているから、あまり洒落っ気がない私は、正直しなくていい事に助かっている。 すべての準備を終えた私は、いつも通りの時間に荷物を持って学校に出かける。 これがありきたりな私の朝。 晩春の外の空気は、柔らかい花の香りと少しの爽やかな新緑の香りで満ちている。 「うーん、気持ちい…痛っ!?」 少し浮かれ気分で歩いていると、突然コンクリートか何かにぶつかったような痛みが額に伝わる。 慌てて前を見ると、目の前には家の仕切りの塀のコンクリート。 額に手を当てると、ほんの少し腫れてしまったようで、膨らみを感じる。
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