差別と異端

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「はぁ…はぁ…はぁ…」 草陰に女が1人、息も荒くしゃがみ込んでいる。 何かから逃げてきた? 否。 どこかに傷を負っている? 否。 「はぁっ…はぁっ…じゃまよ…!」 何かに追われている? 否…! 何かと戦闘している? 否ッ! 断じて否ッ! 「ショタ…さいこう…」 ただ単純に少年と次郎のやりとりを覗き興奮しているだけの事。 敵意を感じない為に次郎は気づいていない振りをしているだけで有り、こちらに向かい一瞬でも邪な考えを持てば、すぐさま失神させられどこかに捨て去られるだろう。 「お姉ちゃんって呼ばれたい…今すぐ頬ずりしたい…キスして監禁して、一生養ってあげたい…!」 行きすぎた感情を邪と呼ばずになんと呼ぶのかは解らないが。 未だ草陰に隠れた女は動かない。 その女目掛け、ワイバーンと呼ばれる飛竜が向かって来ていようとも。
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