悪意と善意の束の間の邂逅

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「それでこそ儂が見込んだ漢じゃわい…その世界は住人達からアスカレイドと呼ばれておる、魔法が有り、魔物もおる世界じゃ…儂等は13番目と呼んどるがな」 「ふはっそりゃぁ縁起わりぃや」 俺も893なんて糞手だがねと自嘲しながら次へと促す。 「ギルドなんちゅー何でも屋が在ってそれが魔物の対応はしとる、国はいくつも有るからのう…自分で調べてくれ、そして本題の屑とは一部の貴族と呼ばれる物じゃな」 突っ込むべき所はいくつか有りはするがそれは流し、先程から気になっていた言葉について聞く。 「魔物ってぇのはなんだい?」 「そのままモンスター化け物妖怪なんとでも呼べるがあれだ、ゲームの中の生き物みたいなもんじゃな神話なんかにも出てくるだろう?ドラゴンだのなんだのと」 理解が出来たのか次郎は次を促す。 「そんな世界生身で行けば直ぐ死ぬのは目に見えてるからのう、魔法を使う才能と今までの知識、魔眼と呼ばれる真実を見極める目、そして気づかれない程度の異常な治癒力と幸運を授ける…まぁ縛りがあるんだがのう」 「その縛りってぇのは?オープンリーチみてぇのは勘弁してくれや」 「生き物の不殺生、お主が直接的に命を奪うことを禁止する…まぁ異常発生している生き物は除くがな…要するに世界のバランスを崩さない程度に狩れと言う事じゃ」 その言葉を承諾し、いくつかの質問をして準備を整える。 整え終わった時には若かりし頃の姿へと生まれ返った元老いぼれが立っていた。 その体の下には魔法陣が現れ、徐々に次郎の体が消えていく。 「それから人殺しはお主には出来ないからのう、在る程度の権力を手に入れるようにするんじゃぞ」 「おいまt」 完全に消える間際に言われた耳を疑うような言葉と共に次郎の意識は闇へと落ちて行った。
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