第3章

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頭が痛い... 意識が戻りながら、頭の痛みに声を発していた 「大丈夫か?」 目を開きながら、誰かがそばにいるのが分かった ジヌさんとソンミン君だった 心配そうな顔で、こちらを見ていた どうやら、初めに寝かされていた、仮眠室と呼ばれている部屋のようだ 「...あっ...うん...大丈夫...」 そう言いながらも、頭の痛みと朦朧とした感じは残っていた 「まだ、顔色が悪いです。部屋に戻りましょう。僕が送って行きます」 と、ソンミン君に言われた 「ううん、大丈夫。一人で戻れるから」 これ以上、仕事の邪魔をするわけにいかないし... 起き上がろうとした瞬間、体が浮いた 「オレが送る...ソンミン...レッスン室に戻って...オレもすぐに戻る」 そう言いながら、ジヌさんは、私の体を抱き上げた 「ヒョン...分かりました...」 ソンミン君は、心配そうな顔をしながら部屋を出て行った 私は、抱き上げられたまま、車に乗せられた 「あの...ジヌさん...仕事の邪魔をして、ごめんなさい...」 昨日の返事の仕方で、私が仕事場に来るのを歓迎していない事は分かっていた さらに、こんな迷惑をかけちゃって... 私は、俯きながら、泣きそうな気持ちを抑えていた 「別に...邪魔じゃない...気にしなくていい...それと名前...ジヌでいい」 「えっ...?」 私は、思わず顔を上げた ジヌさんは、運転をしながら片方 の手で クシャッと私の頭を撫でた 表情は変わらないけど その手は、とても優しかった それ以上、私は何も言えずに 車は、ソンミン君の部屋に着いた
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