第1章

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「はい、一通り終わりました」 携帯を肩に挟み、資料を出しながら 会社に報告の電話をした 「結果は月末です...はい..」 電話の向こうでは部長が 今にも結果を欲しがっているが 相手が、返事は月末だと言うのだから仕方ない 「はい、今日の夜の便で帰ります.....ええ...はい...失礼します」 はぁぁぁぁ 疲れた...... 携帯片手に安堵と疲れで 大きな溜息をつきながら 歩道の手摺にカバンを置き脱力した... とりあえず終わって良かった... ミスも無かった... 感触も悪くない... ふぅ... 買い物でもしてから空港に行くかぁ 手摺にドカリと置いたカバンに 再び資料を入れながら せっかくの韓国を少しは楽しみたいと イソイソと数時間の観光に頭を巡らせた すると、再び携帯の着信が... 「はいはいはい...と...あっ!!」 ガシャンッ!!! 着信の鳴る携帯は 勢い良く車道に転がってしまった 「あっ!んもっ!」 車通りの少なさに油断して 勢いで身を乗り出した私の耳を切り裂くように 車のクラクションが鳴り響いた すぐそばで... ブレーキ音が聞こえた...
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