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殴る理由
ある日俺が街を歩いていると、
路上で中年男が幼い女の子を殴っていた。
「オラァ!死ねクソガキが!」
「いやぁー!」
「おいお前何してんだ!
大の男がこんな女の子に手を上げて、
恥ずかしく無いのか?」
思わず間に入って女の子を助けたが、
男に悪びれる様子は無い。
「貴様はこのクソガキを知らないから言えるんだ!
一緒に暮らせば分かる!後悔するなよ」
「何を言ってんだか・・・・・よしよしお兄ちゃんと一緒に来ようね」
「わいわい!」
俺は女の子を自宅のマンションに預かる事にした。
「恐かったね~もう好きにして良いんだよ」
「お兄ちゃんありがと!酒有る?」
「は?」
予想外の要求に驚いていると、
女の子は俺の返事も聞かずに勝手にワインセラーを開け、
ワインのコルク開けて、
勝手にベランダで飲み出した。
「ぷはー!ポリフェノール摂取しなきゃね」
「お前子供なのに何で飲酒してんだ!?」
「気にしない気にしないホジホジ」
女の子は気にせず鼻を小指でなく親指でほじる!
「あっ!お兄ちゃん漫画読ませて」
女の子は俺の漫画を勝手に汚しながら読み、
表紙や帯も勝手に捨てて破いていく。
「おい辞めろ!」
「お兄ちゃんフィギュア飾ってる~良い歳してお人形さんゴッコ?オタクじゃんキモい!キショいギャハハ!」
そう言いながら女の子は勝手に俺のフィギュアで遊んで汚して壊していく。
「このクソガキ!表出ろ」
「何?ファミレスはやだよ?高級レストランじゃなきゃヤダ」
「貴様が喰らうのは飯でなくこの拳だァーッ!」
「キャー!」
俺は先程の中年男以上の勢いで女の子を殴りつつ、
汚いので足で踏んだり蹴ったりし続けた。
「ちょっと貴方何しているんですか?
近所から通報有りましたよ」
「あ!お巡りさん助けて」
「しまった警察か!この状況では明らかに俺が逮捕確実!」
しかし警官は女の子を見て拳銃を抜いた。
「この子は妖怪糞餓鬼ですよ!可愛い女の子の姿で人々を騙す事で、
警察でも問題になってました」
「ギクッ!」
「そうだったんだ!
でも糞餓鬼でも妖怪なら逮捕出来ないんじゃ」
「そうですね。
なので全身の皮を剥いで人喰い蟻に喰わせ厄払いですね」
「いやぁー!」
こうして糞餓鬼は初めて役に立った。
昆虫館の人喰い蟻の。
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