第1章

5/11
前へ
/11ページ
次へ
はは~ん。なるほどね。そういうことね。 このゲーム世界の終わらせ方は誰にも分からない。戦闘ゲームは手を変え品を変え連綿と続いている。僕は物心ついた頃からこの戦闘ゲームを延々とこなしているのだ。ゲームをする前の記憶は曖昧模糊とした霧の中に隠れて分からない。一体このゲームは何年続いているのか。数時間なのか?何百年なのか?もしかしたら永遠に終わらないのかもしれない。この戦闘ゲームの世界の中で一生を終えるのだとしたら……それはいくらなんでも悲しすぎる。 誰もがこのゲームを終わらせ、現実世界に戻ることを夢見ている。 本当に現実世界に戻ることができるのか?そもそも現実世界ってあるのだろうか?様々な疑問がこのゲーム世界の住人達の間で渦巻いていた。 ゲームの終わらせ方にはいろいろな説がある。一つはACTで示されるゲームの回数だ。もう一つはSSコインを上限まで集めること。 SSコインを100万枚集めればこのゲーム世界から脱出することができる、との説明が信じられている。 「100万に近づいたわけか……いいね」少し恨み節が入る。ただ僕も見てみたい。100万枚集めた人が本当に現実世界に戻れるのかどうか確かめたい。もし、海斗がSSコインを100万枚集めたなら次のゲームで僕の前には現れないはずだ。もう二度とチームを組む事はないだろう。少し寂しいが、希望が持てる。自分も100万枚集めればいいのだ。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加