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「ちょっと待って。簡単すぎる……」
「そうだな。なんかおかしい……」海斗も難しい顔で応じる。
「え?なんでなんで?……いや、お前らはSSコインに余裕があるからいいんだよ。僕はSSコインが残り少ないんだ。大丈夫だって。大船に乗った気持ちで気楽に」
僕は2人の制止を振り切りスクッと立ち上がるとシンゲンに向かってロケットランチャーを発射した。
ゴォ~~ン!ド~ン!地獄の底から響くような音がして、周囲に光が満ちた。目がチカチカする。
《敵戦力消失》
ヨッシャー!作戦成功。立ち込める煙の中から次々と文字が浮かび上がる。
《歩兵10ーSSコイン100》
《通信兵ーSSコイン200》
《シンゲン影武者ーSSコイン700》
《軍曹ーSSコイン800》
《少尉ーSSコイン1200》
《合計ーSSコイン3000枚》
あれ?得点が伸びてない……なんで?影武者?
ドドドド~~ン!イキナリ火柱が上がった。僕の左手が吹き飛んで空をくるくると回っている。左足が皮一枚で繋がっている。左太ももの断面から大量の血が吹き出していた。隣を見ると、ゆきちゃんの顔が潰れ、思いっきり変顔した人みたいになっていた。口から舌が飛び出している。目は左右であらぬ方向を向いている。お腹に大穴が開き、小腸が生き物のようにニョロニョロと飛び出していた。これは即死だろう。
どうやら背後からロケットランチャーを撃ち込まれたようだ。
海斗が応戦している銃撃音が遠い昔話のように耳に届く。クソが!部下だけ残しこっそり背後に回りやがって。うつ伏せの体制をひっくり返す。左足がついに捻じ切れた。右肩関節が外れていることも判明した。右手が身体の後ろに回ってしまい、前に出てこない。僕は右手に握り締めたマグナム234を自分の背中越しに構えた。
「ヌワッハハハハ……」勝ち誇ったシンゲンの笑い声が周囲に鳴り響いた。海斗も力尽きたようだ。海斗の首が勢いよくこちらに向かってゴロゴロと転がってくる。海斗の恨みがましい目と目が合った。
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