序章 「石像の悪魔」

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ガーゴイルは石像の悪魔、形がどんな物でも基本的に防御力が高い そんな硬い物を普通の刀で切ろうとしたら刀が折れる 少なくとも刃が使えなくなってしまう が、秋雷の持つ刀はそんなことは無かった 「ギィヤァァァァァァ」 ガーゴイルは雄叫びと一緒に口から再び火を吹いた 「やっぱり、俺の武器ではダメだよなぁ・・・」 秋雷はそれを避けようとはしなかった 否、避ける実用が無かった ガーゴイルが吹いた炎は秋雷を避けるかのように秋雷には当たらなかった 「こんな使い方もあるんだよっ」 秋雷の前には結界が貼られていた そして秋雷は刀を一度鞘に納めた 「月光流第三の型・・・」 秋雷は驚く速さでガーゴイルとの距離を詰めた 「三日月」 秋雷は一瞬で三つの斬撃をガーゴイルにあたえた 秋雷の斬撃はすべてガーゴイルに命中したが、さっきと同じくキズすらあたえられなかった 「月光流第一の型」 秋雷は休む時間を与えず次の攻撃に入った 「満月」 次の斬撃は一度だけだったが、その一撃でガーゴイルの腹部分にキズがついた どんな物にも必ず脆いところがある 先程の三つの斬撃でガーゴイルの脆いところを探り、次の一撃でガーゴイルに傷をあたえた 「ギィィィィィィィ」 ガーゴイルはにらむように秋雷を見る ガーゴイルは何かに苛立っている それは秋雷に傷をつけられたことに苛立っているわけでは無い 悪魔とは人を襲い喰らう者、それがこれだけやっても殺すことが出来無いことがこの悪魔の苛立つ原因である ギィヤャャャャャャっ」 ガーゴイルはさっきとは比べ物にならないくらい周りの窓ガラスが割れるくらいの雄叫びをあげた 「なにっ!」 秋雷はとっさに耳をふさいだ そしてその雄叫びは秋雷のいる窓ガラスも割った 秋雷はガラスが目に入らないように一瞬目を閉じてしまった だが、それこそガーゴイルの狙い
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