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お風呂から上がると、翔ちゃんはソファーに座りながらパソコンをしていた。
そこに近づきながら、声をかける。
「何してるの?」
「資料作ってるの。」
「何の資料?」
「夏祭りの資料。」
「ふーん。」
そう言って、翔ちゃんの横に腰掛ける。
そっか、もうそんな時期か。
今は6月。7月に入れば期末テストがあり、それが終われば夏休みになる。
学校の夏祭りは、文化祭とは違い、主に保護者と先生達が屋台を出してくれる。
最後には花火も校庭であげてくれ、その花火を一緒に見たカップルは幸せになれるとか。
いつか私も翔ちゃんと見れたらな…なんて。
「あかね、髪濡れてる。」
私が妄想に浸っていると、翔ちゃんが私の髪を一束すくい、心配そうに見てきた。
「本当に風邪引くよ。」
「大丈夫だよ!もうすぐ夏だし。」
「関係ないよ。ドライヤー持っておいで。」
「うん。」
翔ちゃんは変に心配性なのだ。
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