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私の左手首を掴み、翔ちゃんは私の人差し指についたチョコをじっと眺める。
そして、それを翔ちゃんは口に含んだ。
「ひゃっ」
翔ちゃんの舌でチョコを舐め取られ、私はいつもより高い声を上げてしまう。
翔ちゃんの舌が熱い。
心臓をバクバクさせながら、視線を感じた先を見た。
すると、翔ちゃんが熱っぽい目で私を見ていて、背中がゾクっとした。
翔ちゃんは最後に“チュッ”という音を立てて、人差し指を口から離した。
私は顔も真っ赤で心臓もバクバクさそているのに…。
それに対し、翔ちゃんは涼やかな表情を浮かべる。
「やっぱ、まだ子供だよ。」
私の頭をぽん。と撫で、翔ちゃんはパソコンを閉じ、ソファーから立ち上がった。
一方私は放心状態。
翔ちゃんは“あっ”といい、廊下へと続くドアを開けた時に立ち止まり、こちらを見た。
「ソファー、汚すなよ?」
翔ちゃんはニヤリとは笑い、自室に消えて言った。
私は一瞬ポカンとしたが、はっとした。
瞬間、右手のアイスに目をやり
「あっーーーーー!!!!!」
翔ちゃんの忠告は虚しく、赤いソファーには茶色い水玉模様が新たに仲間入りした。
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