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菅さんはいつも、僕に新人の育成を頼んでくる。
まぁ、26の僕もそれほど実績があるわけでもないし、仕事を選べるほどのキャリアもないから文句をつけることもないが。
「いや~、今度の子は凄いから。うまく指導してあげてね」
菅さんはいつも、口癖のように同じことを言う。
先月任されていた新人2世女優を連れてきた時も、同じ言葉を聞いた気がする。
彼女は何年か前にデビューはしていて、今度CDを出すから、と僕のところに連れてこられた。
もうすぐ20歳という微妙なお年頃の彼女はやたらとすり寄ってきて正直、対処に困った。
仕事であって、遊びではないはずなんだが
…。
「…何歳ですか?」
だから、あまり年が近すぎるのも、困る。
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