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「あ、…はい。なんで…」
と言いかけて、この人が高岡さんなのだとすぐに思い当たり、居ずまいを正す。
けど、そんなオレの緊張をよそに、晴臣さんはえらく感心したような声で、顔を近づけてきた。
「あの写真と全然違うね!…ふぅん、そっか」
…なんか近すぎじゃないですか…?
一人で納得したようになんか言ってるし。
覗き込まれた距離の近さにたじろいで、一歩後ろに下がる。
不測の事態に、左胸がちょっとおかしい。
ああ、でも、そんなことより!
「あの、高岡…晴臣さんですよね?…今日はよろしくお願いします!」
挨拶は基本!ここに来るときに鉄平からも口を酸っぱくして散々言われたのに…不意打ち過ぎてうっかり忘れるところだった。
「こちらこそ、よろしくね」
勢いよく頭を下げると、さっき見たふわふわの笑顔が返ってきた。
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