540人が本棚に入れています
本棚に追加
/287ページ
「はじめまして、新城と言います。今日はよろしくお願いします!」
改めてレッスン室に導くと、彼とよく似た雰囲気の男性が畏まって挨拶をしてきた。
「新城…?」
あれ…名字同じ?
「オレ、…僕の兄なんですよ。心配性で…マネージャーに…なるらしいです」
少し恥ずかしそうに、複雑な心境だと言わんばかりの言葉尻に思わず笑みが溢れる。
…菅さんの言う通り、男女問わず受けのよさそうな容姿。
まだ成長途中の体の線は細く、かといって華奢過ぎるほどではない。
挨拶してくれた新城くんが心配するのも、わかる気がする。
聞けば年の離れた兄弟の末っ子で、自分が人からどういう目で見られるのかまるで自覚がない。
母親似だとからかわれるのが嫌で、髪を伸ばしてたというが、その美貌に気づく者も居たのではないか。
最初のコメントを投稿しよう!