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「バレンタインとかチョコもらったりはないの?」
前髪で隠したって、きっと気づいていた子だっているはずだ。
そう思って聞いたのに、返ってきた声は心底意外そうなものだった。
「え…?なんでですか?」
「それだけ綺麗な顔してたらモテない?」
前髪が長かったときの癖なのか、照れ臭そうに顔の半分を隠すように玲音くんは手を動かした。
「オレ綺麗じゃないですよ。それに、ゆーご…中学から一緒のやつがやたらイケメンで。そいつとずっと一緒にいたからもらったことないです」
打ち解けて話し出すと、さっき僕と言い直した一人称がオレになっている。
「そうなんだ?…隠してても分かると思うんだけどね」
少なくともその友人、ゆーごとやらには気づかれていると思うんだが。
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