1人が本棚に入れています
本棚に追加
教会内部。
ゴシップロリータに似ているけど違うような微妙な服の羽金湊は天井裏で糸をいじっていた。
「悪魔の加護はスゴいね。"操り人形"も作れるんだから」
湊がいじっている糸の先には半年前に殺したこの教会の主・三井。
死体が見つかったり、牧師がいなかったりすると怪しまれるため、操り人形にした。
食料は操った牧師を買いにいかせれば、一石二鳥だ。
今は暇であるため、牧師を使って教会を掃除している。
「ん?なぜ魔素が集まっている……?」
湊の元々の能力で単純な魔力移動は見えた。
単純な魔力移動でなくても微かに、魔法を使ったら動く。
今回の動き方は渦を巻いていた。
教会の正面に魔素が集中して渦巻いている。
湊はこの動き方に見覚えがあった。
「"空間移動"か!!」
叫んだ後にまた異変が起きた。
……魔素の動きが変わった……?
今度は魔素が放出されて教会を包み込んだ。
「"能力探知"だって!?」
次いであちこちで何かが破裂した。
罠が仕掛けてある場所だ。
ーーこの強さ……!
ここで湊は察した。
訪れたのは犯罪取り締まり係。
湊は爪を噛み、己の居場所が知れたのだと思った。
だが諦めない。
先まで手放していた糸を拾い、操り人形を操作しにかかる。
壁一枚隔てて外側にミオ達が居ることを知らずに。
最初のコメントを投稿しよう!