2戦目 鉄羽の悪魔

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ミオは神風に信号を送りつつ、自分でしときながら「してない」と嘘つくのは実に愉快らしい。 肩を震わせて「ふふ、ふふふ」と笑っていた。ツボが可笑しくないか? 「大丈夫か?」 澪の頭をぽんと撫でる。 「わっ」 小さく悲鳴が聞こえた。 笑いをこらえているからか、顔が赤くなっていた。 「……大丈夫じゃないよ……」 澪がなにかをボソッと呟いた。あまりにも小さく呟いたもんだから、聞こえなかった。 「なにか言ったか?」 「いや、別に」 目を逸らしてまだ赤い顔を俺とは反対の方に向けた。 「…?ミオ?」 顔を覗き込むとミオは飛び上がった。 「うわ…うわあぁぁあっ!」 ミオは叫んだ。 そのせいか、壁の向こうで気配がこちらに気づいた。 俺は顔の赤い姉をジト目で見て立ち上がる。 「あーあ。バレちゃったじゃんか。折角の余興が……」 「ご、ごめんっ!」 さっきのやり取りの中、俺達はずっと信号を的確に送っていた。     *** うわ…うわあぁぁあっ! 何かの声が外の方から聞こえた。 湊は横に視線を投げ、透視する。 すると、魔力を大量に纏った生命体が、もといミオ達が立ってこちらを見ていた。 「っ!?なぜっ!?」 否、あるはずがない。澪達は下にいるのだ。魔力も強い。 では、壁越しの横にいるのは誰だ? 混乱していると壁にミシミシとヒビが入っていく。 ドガァァァァァンッッ 舞う土煙に眼を細め、入ってきた人物達に眼を見開く。 壁を破壊して入ってきたのは、 「お前が羽金湊?ボク達は犯罪取り締まり係。大人しく捕まりなさい」 本物のロミオ・アルマリナとエリアルデ・スミラスの二人だった。
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