2戦目 鉄羽の悪魔

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「ふん。だれが捕まるものか!!」 湊が、三つに編みこんだ髪の毛を揺らして、睨んできた。 「三井さん。死んでたんだね」 ミオが冷たい声を放ち、怒っていることがわかった。 「……だから?……私の敵になるなら殺す。鉄羽の悪魔!」 湊が叫ぶと、湊の腰の辺りから鉄の羽根が生える。 眼帯のような黒い布?で右半分顔を覆っているのと、服装を合わせてなんか凄い。 背後には悪魔が嘲笑ってたし。 「どーするよ。ねーちゃん」 俺が珍しく姉呼ばわりすると、ミオは眼を丸くしてから笑って言った。 「エリアルデがスペリア使えば良いじゃん」 「うーん……わかった。はなれてて。教会破壊されるかも」 「オッケー」 ミオは降りると、三井の亡骸を持った鳴神達と外に出た。 俺は湊の前に向き直り、ポケットの物を掴んだ。 「下、降りようか」 「……いいだろう」 俺たちは屋根裏から飛び降りた。 *** 教会から鳴神達と出てきた私は、楓の樹が植えられている根元に来た。 『澪殿』 「ふぇ?」 不意に話しかけられて変な返事になってしまった。 気を取り直して用件を聞く。 「…けほ…えっと、なに?」 『この屍はどういたそう』 「三井さん…家族いなかったからな。ボクが埋めて葬るよ」 『澪殿は優しいのだな』  鳴神は担いでいた死体を私に渡した。 「……まぁ、恩人の一人だからね……」 死体を受けとると私は小さく、誰にも聞こえないように呟いた。 死体を担ぎ、辺りを見渡す。 そこで良い感じの丘を見つけた。 その丘へ歩みを進める。 後ろから鳴神と神風もついてきた。 教会の方からくぐもった、何かがめり込んだ音が聞こえた。しかし、弟を信じて今することを実行することにした。 丘に能力で強化した体で穴をほり、死体を炎で火葬する。 骨となった死体を穴に入れていた棺桶に納める。 土を戻し、墓を作る。 墓に’三井 和海’と、彫って額に滲んだ汗を拭う。 「おやすみ。三井さん」 微笑んで丘から飛び降りた。
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