2戦目 鉄羽の悪魔

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「まさかスペリアを使う日が来るとは……」 俺は小さく呟いて黒い鋼の羽を持つ悪魔を見た。 彼女は、両手に半透明の糸を持って、俺を睨んでいた。 瞬きをした瞬間。視界から彼女が消えた。 「っ!?」 眉をひそめた瞬間にわき腹に強い衝撃があり、体が壁にめり込む。 「ぐあっ……!?」 今来ている軍の服は耐性に優れているのだが、それすらも超える湊の蹴りだった。 「ぐっ……ぅ…」 めり込んだ体に湊の高速パンチが繰り返し命中する。  全身の骨が砕けるような感覚に陥ったが、俺はポケットの中の物を握りしめながら隙を窺う。 身体中からは既に鮮血が吹き出ていた。 「ふんっ。ずいぶん貧弱だな小僧。それでも取り締まり係か?」 湊が拳を下ろし、俺に向かって言葉を吐いた。 俺がその隙を見逃すはずもなく、物を取りだし、上に投げた。 「何だそれは」 湊は俺から投げた球体、スペリアに視線を移した。 それを利用して俺は自力で透明化を使用。 続けて無音化も使い、壁から離れる。 湊はまだスペリアを見ていて、気付いていない。 「…形態03【ウェザー】」 俺の呼び声に答えたスペリアは虹色の光を出しながら渦を巻き、形を変えた。 灰色になったコアに雷土型と針のようなパーツがくっついていて、周りに白い物体がいくつか浮遊していた。 ウェザーフォーム。スペリアの形態03。 今回はこれで片付けようか。
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