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「ミオ、"変身術"かけといた。狐だよ」
カエデは趣味で作った焼き菓子を食べながら姉である空色の髪の軍服少女。ミオに言った。
彼らは今戦闘中だが、そんなこと関係ない。
「狐かぁ。火とか吹けるようにしようかなぁ?」
同じく焼き菓子を食べながら答える。
「どうでもいいよ。…狐でいられる時間は五分きっかり。あんな重罪犯した能力者に勝てるか?レベル3はあるぜ?」
相手は、大の大人で、地面を自在に操る能力を持つ、殺人犯……なのだが、
彼らは呑気に菓子を食っている。
多少マシなカエデは注意点を述べるが、澪は笑って手を降った。
「大丈夫だよ。ボクレベル7だし。あんなのすぐだよ勝算100パー越えてるよ。てかクッキー旨い。カエデすごい」
ミオが俺のクッキーを賞賛している間に、青い髪の少女に獣耳と尻尾が現れた。
「そりゃーどーも。狐人間サン」
焼き菓子を食べ終えて手を払いながら彼女に教える。
「狐人間はないデショ。"自動能力選択"っと」
同じく焼き菓子を食べ終えたミオは手を胸の高さまで上げた。
だて眼鏡に幾何学文字の羅列が浮かび上がり、薄緑色に光る。
その光は一瞬で肩、腕、指先へと移動し、指先から放出された。
放出された光はボタンが3つあるスロットになり、周辺に花弁が散る。
「スロット~…スタートッ!」
変なテンションのミオが指でボタンを押すとスロットが回り、止まる。
描いてある絵は左から火、鬼、上に矢印。
瞬間彼女の周りに狐火、鬼火と呼ばれる火の玉が現れる。
「じゃ、行きますか。」
「あいよ。」
彼らはこの後3分もかからずにこの戦闘に決着をつけた。
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