1人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
「カエデー。魔法でつれてってよー」
「駄目だ。動かないとふとるぞ。」
俺は立ち上がり、姉を見下ろした。
「いや、大丈夫でしょ。毎日アスリート並みに、いやそれ以上か。動いてるからかな?体脂肪率がヤバイもん」
自信有り気に真顔で断言する彼女を見て俺は苦笑した。
確かに、アスリート以上動く。
犯罪取り締まり係は一日に何人も逮捕する。
時には、凶悪犯十人同じ日に取り締まったり、万引き犯や引ったくり犯をひたすら捕まえたりするときもある。
運動量が半端ではないのと能力の反動で体重は増えないのだ。
それどころか筋肉の量が物凄くなってくるのでこうしてだらだらおにぎりや、タルトを食べて、寝たりしている。
澪は筋肉がすごいが、外見からはわからない。
華奢な体つきで、初対面の人が澪の体脂肪率や、筋肉の量を聞くとひっくり返るだろう。
そんなこともあり、太るよ?とか言うと決まって「いや、大丈夫でしょ」と真顔で言ってくる。実にうざい。
「まあ、いいや。ボクは歩いていくよ。カエデは?」
澪は諦めたように立ち上がった。
「歩く。すぐそこだし、いきなり現れたら攻撃されかねないしな」
俺はため息をつきながら歩き出す。
「あ、納得」
その後をついていくミオは、
「そこ段差あるぞ」
「うわっ!」
盛大に転けた。
最初のコメントを投稿しよう!