CHAPTER 2  氷雨の街

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「で……どうするの、 これから」  食事が終わると、 やがてギイは低くつぶやくように言った。 「渋谷に――あのクラブに、 帰るつもり?」 「え……」  確かに、 そろそろ稲垣りつ子が所有する『りぼん』のマンションへ戻らなくては、 ギイが延長料金を請求されてしまう。 マンションには、 少女達が逃げ出したりしないよう、 いつも見張りの目が光っていた。 彼らは客と外泊している少女のこともすべて把握し、 帰ってくる時間をチェックしているのだ。  もし夏月がこのままマンションへ戻らなければ、 ギイに迷惑をかけるばかりではなく、 りつ子の命を受けた男達が夏月を捜しに来るだろう。 そして連れ戻され、 凄惨な制裁を受けることになる。 逃げた少女がそうした目に遭わされるところを、 夏月も何度となく見せられていた。
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