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ルナパレス邸を出てすぐ、俺の意識はある言葉で5年前までも遡っていた。
それもそうだ、なんの因果か。この世界に来ることになった事で、失ったものがまた目の前に居るのだ。
神の掌とは言ったものか。遊ばれているんだともわかったが、アイリの声で脳内ワープから帰ることが出来た。
「悪い、まさかアイリも此方に転生してたなんて思わなかったからな」
当のアイリは本当に気付いていなかった事に呆れを見せ、ぷっくりと頬を膨らませる。
「ヒントは一杯あったのに気付かないって蒼ちゃん大丈夫頭?」
いや、お前何て言った。俺の頭がハゲだって?
ハゲの苦悩を少々叩き込んでやる必要があるだろう。
まあ、そんなことはいいか。わかってる事だし、質問タイムといこうか。
止めていた足を進めながら、アイリの横に並び再スタートへと向かおう。
ヒントというものがなんだったのか思いだしながら、それでいて懐かしい心地になりながらもルナパレス邸を離れていく。
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