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「いや、だって無理なもんは無理やん! 解った、手! 手でするから! それならえぇやろ!?」
友達同士のマスの掻き合いなんて珍しくもない。
手やったらなんとかいける!
「え、してくれるんですか?」
「お、おぅ……」
キラキラと期待に満ちた眼差しでナルに見つめられ、怯みながらもコクリと頷く。
口でしろ、とか言われるよりは手の方がまだマシや。
それに俺ばっかりこんな所でイかされるなんて嫌やしな。
「竜也先輩、じゃあ一緒にしましょうか」
ナルがジリジリと迫って来るから思わず後退ると、背中が固い壁に当たる。
「いや、俺はさっきしたし」
「一緒だともっと気持ち良くなりますよ」
「ちょっ……ナル……ぁっ……」
流されたのか、俺の意思なのか。
結局俺はナルの手によって再びイかされてしまい、ナルも俺の手の上に自分の手を重ね、ほとんど自分で動かしてフィニッシュを迎えていた。
その間夢中でキスを繰り返したのも、何度も耳元で『可愛い』と囁かれたのも、しばらくは頭を離れそうにない。
ちゅーか、部室で何やっとんねん。
ナルのアホ……いや、アホなのは俺やー!
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