第5章

7/17
865人が本棚に入れています
本棚に追加
/212ページ
「オレ、帰りに商店街に寄るつもりなんだけど、竜也も行く?」 「商店街? 買い物か?」 「兄ちゃんに美味しいパンでも買ってあげようかと思って。オレのいつも行くパン屋なんだけど」 いつもっちゅーか、毎朝通っとるやろ。 それで毎日遅刻してマツキヨを悩ませとるし。 そういや、双子も商店街のパンがどうのとか言うとったな。 「えぇよ。案内せぇ」 「何でそう偉そうなんだよ。じゃ、行くか」 通学用に使っているリュックを背負い、「早く!」と夏目が教室を飛び出した。 無駄に元気やな、アイツ。     ◇◇◇◇◇ それから夏目に案内されてやって来たのは、商店街の一角にある洒落た店構えのパン屋。 看板には『Schwarzwald』と書かれている。 これ、英語やないよな? 何て読むんや? .
/212ページ

最初のコメントを投稿しよう!