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「竜也、ここのメロンパン食べた事無いだろ。ビックリするぞ、めちゃめちゃ美味いから!」
夏目が力説しているが、正直俺はメロンパンはあまり食べない。
パンといえば食パンやフランスパンくらいしか浮かばないし。
でもこの店の商品棚をグルリと見回しても、俺の知っているパンの姿が見えない。
普通のパン屋やないのか?
「お待たせ。飲み物は紅茶で良かったかしら?」
しばらくするとみゆきさんが飲み物とパンを乗せたトレイを持って厨房から戻って来る。
「こっちがクッキー生地にメープルシロップを入れたので、こっちがそれにホイップクリームを入れたもの。それでこっちが……」
半分に切り分けられ皿に乗ったメロンパンをテーブルに並べながらみゆきさんが説明をしてくれるが、どれも似たような物にしか見えない。
ちゅーか、メープルシロップにホイップクリームって……甘すぎやないか?
「いただきます」
夏目がメロンパンを手にしたのを確認してから、俺も手を付ける。
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