第5章

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「いや、何ちゅーか……余程お前の舌が信用されとるんやな」 少し冷めた紅茶でメロンパンを流し込んでから、夏目が「まぁね」と得意気に笑った。 「だってオレ、メロンパンへの愛なら誰にも負けない自信あるし」 「さすがメロンパン夏目やな」 「何だよ、そのリングネームみたいなの!」 「メロンパンをバカにすんな」とか夏目が怒っているけど、別にメロンパンをバカにした覚えは無い。 寧ろ感心しているのだ。 「そんだけ好きなもんがあるってスゴイよなー」 「何言ってんだよ、お前だって音楽好きだろ? それと変わんないよ」 「そう……か」 一日たりとも楽器に触らない日は無い。 それくらい音楽が好きやのに……部活サボって何やっとるんやろな。 ちょっとナルと顔を合わせるのが気まずいからって、俺は音楽から離れられないのに。 アホやな、俺。 ホンマにアホや。 .
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