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「いや、何ちゅーか……余程お前の舌が信用されとるんやな」
少し冷めた紅茶でメロンパンを流し込んでから、夏目が「まぁね」と得意気に笑った。
「だってオレ、メロンパンへの愛なら誰にも負けない自信あるし」
「さすがメロンパン夏目やな」
「何だよ、そのリングネームみたいなの!」
「メロンパンをバカにすんな」とか夏目が怒っているけど、別にメロンパンをバカにした覚えは無い。
寧ろ感心しているのだ。
「そんだけ好きなもんがあるってスゴイよなー」
「何言ってんだよ、お前だって音楽好きだろ? それと変わんないよ」
「そう……か」
一日たりとも楽器に触らない日は無い。
それくらい音楽が好きやのに……部活サボって何やっとるんやろな。
ちょっとナルと顔を合わせるのが気まずいからって、俺は音楽から離れられないのに。
アホやな、俺。
ホンマにアホや。
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