第5章

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よし、とりあえず昨日の事は忘れよう。 俺は音楽がやりたいんや。 ナルのセクハラなんかに負けてられへん。 俺は音楽が、バンドが好きなんやから。 「何や、気合い入ったわ。よっしゃ、あんなヤツに俺がやられてたまるかっちゅーの!」 「何の事か解んないけど……メロンパンのお陰だな。オレも独り占めしたいのを我慢して竜也にメロンパン食べさせて良かった」 俺に気合いが入ったのはメロンパンのお陰だと信じて疑わない夏目に「今日だけは特別な、これも食べていいぞ」とクリーム入りメロンパンを差し出され。 「いや、クリーム入りは……いただきます」 最終的には胸焼けを起こしながらパン屋を後にする事になった。 うん、美味かった。美味かったんやけど……。 もうしばらくメロンパンはえぇわ。     ◇◇◇◇◇ 寮に帰るともう晩飯の時間は過ぎていたらしく、用務員の佐野さんに「遅かったな」と心配されてしまった。 「遅くなるなら連絡しろよ。片付けられないだろ」 ダイニングスペースにはもう寮生の姿は無い。 自室に戻っているか、風呂の時間なんだろう。 .
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