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キッチンで洗い物の手を動かしながら、佐野さんが「お前、飯は?」と尋ねて来る。
「今日のメニュー何ですか?」
「鶏肉とキャベツのクリーム煮」
ここにきてまたクリームかい。
「あー、俺、飯要らないです。食欲無いし」
「具合でも悪いのか」
「そんなんやないですよ。すんません、もう風呂入って寝ときます」
佐野さんにヒラヒラと片手を振って、自室のある寮の二階に向かう。
「ただいま」と挨拶をしながら部屋のドアを開けると、同室の荒川が机に向かったまま顔も上げずに「おかえり」と返してくれた。
「お前、遅くなるなら佐野さんに連絡しとけよ」
「あー、悪い」
まだ胃がムカムカする感じがして、制服のままベッドに倒れ込む。
別に生クリームは嫌いやないんやけどなー。
でも量には限度ってもんがある。
何で夏目は平気なんや?
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